愛猫家たちの興味を引くのは、現在エジプシャンマウとして認知されている種と、古代エジプトの人たちが描いた猫が非常によく似ているという事だ。人間の手で改良されたわけではない、現在するねこではエジプシャンマウともう1種アビシニアンだが、、、
エジプシャンマウ
紀元前1900年頃のエジプトの美術品に登場するねこ、体つきや、目、耳、王者のような風格を整えているところまでエジプシャンマウと古代エジプトのねこは不思議なくらい似ている。似ていることからエジプシャンマウの先祖は古代エジプト文明までさかのぼることができると考えてよいだろう。
アビシニアン
古代エジプトのねこにんぞられることが多いアビシニアンもまた、独特の美しさと風格を持つ。
しかし、近年の遺伝子分析から、アビシニアンはおそらくインド洋沿岸地域から東南アジアにかけての地域で生まれたらしいことが明らかになった。そのため、現在公認されているアビシニアンは近代種であり、古代までさかのぼる種ではないと考えられている。
バステト神殿と猫
古代エジプトでは、ねこは早い時期から女神イシスと結びつけられていた。イエスに対する信仰はエジプトから広い地域に伝わり、多くのイシス神殿が造られ、その神殿に猫を住まわせていたので、イシス信仰が広がると同時に、猫の分布範囲も広がったのだろう。
太陽神らーの娘であり、「イシスの魂」とも呼ばれる女神バステト、バステト信仰が盛んにうなる紀元前950年頃には、バステトの姿はねこの頭を持つもの、あるいは完全な猫の姿になっていく。
古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは紀元前450年頃にエジプトを訪れた際、中心地のブバスティスで見たバステト神殿について、次のように書き残している。
『神殿は赤色花崗岩でできた四角く壮大な建造物で、曲線のある石でできた壁に囲まれた中央には、女神を祀る堂がある。神殿では聖なるねこが何匹も飼われていた。これらのねこは、古代エジプトの主要な祭りの1つである年に1度の大祭の祈に、生け贄として捧げられた。その際には、大量のワインが消費されたという』
バステト信仰はエジプトに定着し、猫の絵や小像があちこちで作られるようになった。